顧問契約のご依頼の絶えない、税理士サンタ🎅です。
本日は、【接待交際費としてブランド品を渡しても良い?】について、お話しいたします。
交際費とは?
ブランド品を取引先へ渡して経費化できる?
接待交際費として、取引先へ
- Louis Vuittonのバッグ
- HERMESの財布・スカーフ
- ROLEX、オメガ等の腕時計
などのブランド品を取引先などへ渡しても良いですか?
とよくご質問いただきますが、そのためには、まずは交際費の理解が必要です。
交際費等とは、
交際費等とは、
- 交際費、接待費、機密費その他の費用で、
- 法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する
- 接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)
のために支出するものをいいます。
中元や歳暮、日常的なお礼など、社会通念上妥当な金額であれば、交際費等として損金算入が認められます。
ただし、
- 個人か法人によっても異なり、また、
- 法人の場合も、規模によって取り扱いが異なります
ので、次でそれらの相違の確認をいたします。
交際費については、過去のブログもご参照ください。
個人or法人、法人の規模による相違
個人(個人事業主)の場合
個人の場合、損金算入できる交際費の金額には、上限は定められていません。
(上記の交際費等の定義には、法人は~と記載されており、個人についての明記がありません)
つまり、個人の場合は、
- 事業に関する支払いであり、売上に貢献するための支払いであれば、
- 全額を必要経費として経費化することができます。
中小法人(資本金の額等が1億円以下の法人)
資本金が1億円以下の中小企業の場合、交際費の額には800万円までという制限はありますが、全額を損金算入することができます。
ただし、
- 一人当たり1万円までの接待飲食費は損金算入
- 接待飲食費のうち50%を損金算入
とのいずれかを選択することが可能です(措法61の4①②)。
大法人(資本金の額等が1億円超100億円以下の法人)
1人当たり1万円超の接待飲食費の50%が損金算入できます。
改正前は、1人当たり交際費が5,000円までが損金算入され、5,000円を越えた分の50%が損金算入でしたので、損金算入できる接待飲食費は増額すると考えられます。
飲食費以外の交際費は、すべて損金不算入となります。
大法人(資本金の額等が100億円超の法人)
1人当たり1万円超の接待飲食費は、すべて損金不算入です。
改正前は、1人当たり交際費が5,000円までが損金算入され、5,000円を越えた分はすべての損金不算入でしたので、損金算入できる接待飲食費は増額すると考えられます。
飲食費以外の交際費は、すべて損金不算入となります。
【本題】交際費としてブランド品を渡しても良い?
ここからが本日の本題です。
お客さんにブランド品を渡した場合、交際費として損金算入できるのでしょうか?
自身と相手先(お客さん)、それぞれの側に立って確認したいと思います。
ご自身の立場から見た場合
ご自身が個人事業主の場合
ご自身が個人事業主の場合、そもそも交際費の定めがありません。そのため、法人税の定義を参考に考える必要がありますが、
売上に貢献するための支払いであるならば、必要経費にできると考えられます。ただし、金額が社会通念上、高額であるならば、先方の立場でも考える必要がありますので、後述いたします。
ご自身が法人の場合
ご自身が法人の場合、上記の定義より考える必要があります。
個人事業主と同じではありますが、
売上に貢献するための支払いであるならば、必要経費にできると考えられます。ただし、金額が社会通念上、高額であるならば、先方の立場でも考える必要がありますので、後述いたします。
相手先(お客さん)の立場から見た場合
相手先(お客さん)が法人の場合
相手先(お客さん)が法人の場合、法人宛に送ることもあると思います。
その場合、高級なブランド品を会社宛へ送って、会社で使用される場合は、
貯蔵品 /雑収入
の仕訳が必要になると考えられます。
しかし通常は、開業祝いなどで高級な胡蝶蘭を送ったとしても、もらった法人では何の会計処理もしません(お礼状やお返しの品を送ることはあっても)。
そのため、該当するケースとしては、著名作家の絵画や美術品を贈答するような特殊なケースとして考えています。
相手先(お客さん)が個人事業主の場合
相手先(お客さん)が個人事業主の場合は、雑所得ないしは一時所得としての計上が必要になると考えられますが、その場合、
相手先が
- 給与を1か所から受けていて、かつ、
- その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、
- 各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える
場合は、確定申告が必要になります。
接待交際費の管理方法
交際費を経費化する場合は、管理は必須です。
- いつ(令和6年7月13日)
- 誰に(株式会社サンタの税理士サンタ)
- 何を(Louis Vuittonのバッグ50万円)
- 何のために(株式会社顧問先を紹介してくれたお礼)
- どのように渡したか(クロネコサンタの宅急便で配送)
を必ず残し、会計帳簿にも記載してください。
後述しますが、ブランド品をお渡しされると、受け取られた先方に迷惑がかかる可能性があるため、私はお勧めしていません。
ですが、ブランド品に限らず、交際費の場合は、このような管理をきちんとすることが大切です。
では、税務署からバレるのはどんなケース?
交際費として、相手先にブランド品を贈答すると、相手先で確定申告が必要になり、不本意な増税を課される可能性がありますが、
それが表面化するのは、
- あなた(ご自身)に対して税務調査が入り、
- 交際費についての指摘を受けて、
- 相手先に反面調査に入ったとき
であると考えています。
総括
交際費としてブランド品を渡しても良いかどうかについては、
相手先が確定申告でブランド品をもらった事実の申告が必要となり、増税になる可能性がありますので、私はお勧めしておりません。
もし、どうしてもお送りされる場合は、ブランド品をお渡しされる相手先に、一言、
確定申告で所得として申告いただいた方が無難だと思います
と、お伝えされると良いですね。
では、本日はこれまで。ほんまおおきに
By.税理士サンタ🎅
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