税理士サンタの節税ブログ

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【277】個人事業当時からの使用人に対する退職金

税理士サンタ🎅です。

本日は、【個人事業当時からの使用人に対する退職金】について、お話しいたします。f:id:couple-cpa:20240809192056j:image

法人成り後に、法人設立以前からの従業員へ退職金を支払う場合

法人成り後に、法人設立以前からの従業員の退職に伴い、その従業員へ退職金を支払う場合、

個人事業の期間に対応する退職金は、法人の損金に算入させることができるのでしょうか。

原則、個人事業対応分は、個人事業の必要経費

個人事業を引き継いで設立された法人が、

  • 個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職に伴い
  • 個人時代からの勤務年数など個人時代を含めた勤務実績を基に退職金を算定し支給した場合は、
  • 個人時代の勤務に対応する部分の金額は、法人の損金の額には算入されず
  • 個人事業の最終年分の事業所得の計算上、必要経費になります。

従業員の退職が法人設立後、相当期間経過すると、支給額全額が、法人の損金

しかし、その退職法人設立後相当の期間が経過した後であるときは、

その支給した退職金の金額法人の損金の額に算入されます

法人設立後相当期間??曖昧ですよね。。

法人からはお金の支払が発生する以上は、損金算入させたいところです。

では、そのための具体的な要件を確認します。

法人で全額損金算入させるための要件

個人事業当時の勤続期間を含めて退職金の額を計算することが、退職給与規程等において明らかとなっている場合には、

勤続期間の通算(個人事業期間中の勤続年数+法人設立後の勤続年数の合算)が認められます。

  • 退職給与規程等に個人事業当時からの期間を含めた勤続期間を基礎として、退職金を計算する旨が定められており、
  • それに従って計算した退職金を支払うのであれば、

原則として、個人事業当時の勤続期間を含めて勤続年数を計算することができます。

そのため、退職給与規程等により、

  • 退職金の支払額の計算の基礎とする期間が、
  • 法人成りしてからの期間によるものとされている場合には、

個人事業当時の勤続期間との通算は認められません。

個人事業当時の勤続期間との通算が認めらない場合とは?

法人設立後、相当の期間が経過せずに、個人事業当時の期間も含めて退職金を支払う場合

法人設立後、相当期間を経過せずに、個人事業時代の期間も含めて退職金を支払う場合は、

個人事業の期間に対応する退職金は、法人の損金に算入させることができないため、

その退職金は、個人事業時代の必要経費に算入させるための更正の請求で対応せざるを得ません。

しかしながら、更正の請求には5年という時効があり、

たとえば、2,019年分の更正の請求は、2025年3月15日までに実施しなければなりません。

人によっては、相当の期間のイメージは異なります。

【○○さんは10年選手なんです。】という方がいますが、

その10年のいう期間は、経験はそこそこあるんですよという意味合いでおっしゃっていると思います。

そのため、10年経過すると、相当の期間が経過していると感じる方は多いと思いますが、更正の請求はたった5年しか猶予がありません。

  1. 法人設立後、1~5年目の場合は、個人事業分の更正の請求もできるため、個人事業分の期間に対応する退職金を、①更正の請求により、個人事業の必要経費にするのか、②法人の損金に算入させるのか、個別に所轄税務署とご相談ください。
  2. 法人設立後、6年以上経過している場合は、個人事業分の更正の請求ができない以上、相当の期間が経過したと考え、個人事業の期間についても通算させて、法人の損金算入をさせる。

といった対応になるのではないかと考えられます。

なお、法人の損金算入させる場合は、規程に盛り込み、その規程自体も妥当である必要がありますので、ご注意ください。

青色事業専従者であった者へ支払う退職金は、通算できない。

ただし、青色事業専従者であった者の場合は、あくまでも法人設立の日から退職するまでの期間が勤続年数となるので、個人事業当時の勤続期間を通算することはできません。

退職給与規程等で、法人成りしてからの期間と明記していると、通算できない。

退職給与規程等により、退職金の支払額の計算の基礎とする期間が、法人成りしてからの期間によるものとされている場合には、個人事業当時の勤続期間との通算は認められません。

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では、本日はこれまで。ほんまおおきに

By.税理士サンタ🎅

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