サラリーマンの節税対策!特定支出控除の活用について
【税理士サンタ🎅】です。
本日は、【特定支出控除】についてお話しいたします。
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税理士サンタ🎅の目次
【特定支出控除】
- ◆給与所得者の特定支出控除とは
- ◆経営者は経費化ができるが、サラリーマンは経費化ができない?
- ◆特定支出とは
- ◆給与の支払者またはキャリアコンサルタントの証明が必要
- ◆給与支払者が負担してくれ、かつ、給与課税もされない額は、特定支出にはならない。
- ◆特定支出がいくらを越えると、確定申告をする意味があるのか
- ◆給与所得者の特定支出に関する証明書が必要
- ◆総括
◆給与所得者の特定支出控除とは
給与所得者が次の1から7の特定支出をした場合、その年の特定支出の額の合計額が、
「特定支出控除額の適用判定の基準となる金額」を超えるときは、
確定申告により、
その超える部分の金額を
給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる制度です。
◆経営者は経費化ができるが、サラリーマンは経費化ができない?
経営者の方々は、事業に要した支払いを経理化されており、私はこれまでその漏れについて何度も助言を行ってきました。
- 接待で利用された飲食費は、接待交際費
- 仕事上の移動代は、旅費交通費
- 書籍や研修受講料は、図書研修費
- 事業用クレジットカードの会費は、諸会費
- 会議で利用したカフェは、会議費
- 業務用の携帯電話は、通信費
- ご自身のガン保険や医療保険 など
と、多岐にわたって経費化されています。
しかし、給与所得者は、給与所得控除という経費相当額を、収入から控除して年末調整を行うので、
業務遂行上、別途支払が生じたとしても、自腹を切らざるを得ません。
そこで検討すべきなのが、【特定支出控除】の活用です。
◆特定支出とは
特定支出とは、給与所得者が支出する次に掲げる7つの支出のうち一定のものを言います。
- 【通勤費】 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
- 【職務上の旅費】 勤務する場所を離れて職務を遂行するための直接必要な旅行のために通常必要な支出
- 【転居費】 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出
- 【研修費】 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
- 【資格取得費】職務に直接必要な資格を取得するための支出 (注)弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象です。
- 【帰宅旅費】 単身赴任などの場合で、その者の勤務地または居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出
- 【勤務必要経費】 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの
(1)【図書費】
書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用
(2)【衣服費】
制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用
(3)【交際費等】
交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出
◆給与の支払者またはキャリアコンサルタントの証明が必要
これら7つの特定支出は、いずれも給与の支払者またはキャリアコンサルタントが証明したものに限られます。
なお、キャリアコンサルタントが証明することで特定支出の対象となるのは、
令和5年以後の4【研修費】または5【資格取得費】の支出で、教育訓練に係る部分に限ります。
◆給与支払者が負担してくれ、かつ、給与課税もされない額は、特定支出にはならない。
- ①給与の支払者から補てんされる部分があり、
かつ、
- ②その補てんされる部分に所得税が課税されていないときは、
その補てんされる部分
および
教育訓練給付金、
母子(父子)家庭自立支援教育訓練給付金が支給される部分がある場合における当該支給される部分は、
特定支出から除かれます。
つまり、これらの支払の内、
- 会社が支払ってくれた金額で、
- 給与課税していない金額は、
会社の経費にしており、特定支出としてさらに控除すると、実質的には経費の二重控除となってしまうため、特定支出にはなりません。
◆確定申告が必要
特定支出控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
その際、特定支出に関する明細書および、給与の支払者の証明書を申告書に添付するとともに、
搭乗・乗車・乗船に関する証明書や支出した金額を証する書類を申告書に添付または申告書を提出する際に提示が必要になります。
◆特定支出がいくらを越えると、確定申告をする意味があるのか
特定支出控除額の適用判定の基準となる金額の計算式は、以下の通りです。
その年中の給与所得控除額 × 1/2
= 特定支出控除額の適用判定の基準となる金額
以下、具体的に【特定支出控除額の適用判定の基準となる金額】がいくらなのかを見ていきます。
収入300万円→特定支出49万円超
収入350万円→特定支出565,000円超
収入400万円→特定支出62万円超
収入450万円→特定支出67万円超
収入500万円→特定支出72万円超
収入600万円→特定支出82万円超
収入700万円→特定支出90万円超
収入800万円→特定支出95万円超
収入850万円超→特定支出970,500万円超(上限額)
例えば、給与が400万円の方の場合、
給与所得控除=400万円×20%+44万円=124万円
給与所得控除×1/2=124万円×1/2=62万円
特定支出の額が、62万円超であれば、確定申告にて、特定支出控除の適用が可能となりますので、
給与が400万円の方の場合、
- 特定支出控除が62万円以下であれば、特定支出控除の適用ができないため、確定申告不要
- 特定支出控除が62万円超であれば、特定支出控除の適用ができるため、確定申告が必要
となります。
◆給与所得者の特定支出に関する証明書が必要
給与所得者が、特定支出控除を受けようとする場合、その支出が特定支出に該当することの証明を
給与等の支払者等から受ける必要があります。
が、そのときに使用する様式については、次のとおりです。
- 特定支出(通勤費)に関する証明書
- 特定支出(職務上の旅費)に関する証明書
- 特定支出(転居費)に関する証明書
- 特定支出(研修費)に関する証明書
- 特定支出(資格取得費)に関する証明書
- 特定支出(帰宅旅費)に関する証明書
- 特定支出(勤務必要経費(図書費))に関する証明書
- 特定支出(勤務必要経費(衣服費))に関する証明書
- 特定支出(勤務必要経費(交際費等))に関する証明書
- 搭乗・乗車・乗船に関する証明書
◆総括
大増税時代をうまく生き残るためには、活用できる制度はトコトン活用することが鉄則です。
給与所得者(サラリーマン)の方々は、特定支出控除の活用について、ご検討されてはいかがでしょうか。
では、本日はこれまで。ほんまおおきに。
By.【税理士サンタ🎅】
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