税理士サンタの節税ブログ

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【269】医療機関の売上拡大について

税理士サンタ🎅です。

本日は、【簡単にできる医療機関の売上拡大戦略】について、お話しいたします。(令和6年8月6日更新

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医療機関も売上拡大戦略は必須!!

2024年6月1日よりベースアップ評価料の算定が始まっていますが、診療報酬改定により、今後、医療機関の業績はより厳しくなると想定されています。

そのため、医療機関においても、売上拡大戦略は必須となります。

そこで本日は、【簡単にできる医療機関の売上拡大戦略】について、記載いたします。

なお、ここでいう医療機関とは、病院、診療所(医科、歯科)を対象としていますが、介護事業所、福祉事業所もこの売上拡大戦略は使えます!!

過去のブログも是非ご覧ください。

医療機関の具体的な売上拡大戦略

医療機関が簡単にできる売上拡大戦略について、箇条書きいたします。

患者数や診療報酬単価の推移の確認

医療機関の売上は、

売上=患者数×診療報酬単価

で算定されます。

  • 患者数
  • 診療報酬単価
  • 診療報酬の内訳

これらの月当たりの数字の10年比較をしてみてください。

どの年度から下降気味になったのか

をまず考えてみてください。

そして、どこを伸ばすことができるのかを考えてください。

1人医師法人の場合は、忙しいと検査に時間を費やすことができなくなる先生が多いのですが、

  • 医科の内科・外科のクリニックであれば、定期的な骨密度検査

からスタートして、検査に目を向けてください。

損益分岐点の患者数の把握

次に、損益分岐点となる患者数の把握です。

患者数が、損益分岐点となる患者数が下回ると、もちろん損失が出ます。

医療機関によっては、借入金やリース取引の有無、減価償却資や引当金計上の有無などにより、一概には言えませんが、

損益分岐点を下回ると、現預金も目減りします。

その損益分岐点となる患者数を把握して、現状との比較により、何人足りないのかを確認してください。

曜日ごと、季節的変動の把握

医療機関によっても季節的変動の影響を受け、天候によっても患者数は左右されます。

屋外プールやスキー場、アイスクリーム屋さんや、鍋料理店ほどではありませんが、

暑すぎたり寒すぎたりすると、患者の足は遠退きやすく、雨の日も外出自体嫌になりますよね。。

そして、患者数の季節的変動をまずはざっくりと把握した上で、

  • 曜日によって異なるのか
  • 天候によって異なるのか

を把握してください。

その上で、なぜその日は患者数が少ないのかを考えてください。

院長先生や、リハビリの△さん、歯科衛生士の□さんがいない日が少なかいのか。

逆に、患者数の多い日は、どなたが担当されているのかを考えてみるのも良いですね。

仮に、単純に、天候によりバラつきがあるのみであれば、例えば、

雨の日は待ち時間が少ないですといった院内掲示や、

ホームページ上で、待ち時間の目安や、待合室の患者数の掲示を行い、雨の日に誘導することで、待ち時間の天候によるバラつきを防いだり、他のクリニックや病院からの誘導を図ることができます。

外来の診察時間の見直し

外来の診察時間は適正でしょうか?

一度決めると、何十年も同じ診療時間のクリニックや病院は多いです。

田舎で開業されているのであれば、都会でお勤めされる患者は多いので、診察時間を前倒しされるのも戦略です。

また、都会の駅前で開業されているのであれば、診察時間を少し遅くするのもありだと思います。

ただし、診察時間を変更するには、需要の確認は必須です。例えば問診票で、

診察時間開始のご希望はありますか?ご希望があれば○をつけてください。

午前診

  1. 6時~
  2. 7時~
  3. 8時~
  4. 9時~
  5. 希望なし

そして、診察時間の変更をご決断された場合は、従業員の同意と協力が必要です。そのため、

○月より診察時間を変更したいと思っていますが、ご協力いただけないでしょうか。

と、少なくとも半年前には、従業員にご確認ください。

次回予約の徹底

患者が診療所や病院へ診察に来られた際には、その場で次回予約を取られていますか?

うちは予約システム使ってるから大丈夫!!

ではなく、患者が診療に来られているその場で、次回の日時を確定してしまうことがとても重要です。

次回の診察日時を決めてしまうことは、売上を予約することと同義です。

歯科クリニックや、手術をされる美容クリニックでは、完全予約制を取られているクリニックもありますが、

それ以外のクリニックや、病院の外来の場合は、次回予約を徹底されていないことも多いです。

次は、○月○日の○時にお越しください

と、次回の売上を診療所や病院内で予約してもらうことが、非常に重要になります。

単価の見直し

インフルエンザワクチンの接種料や、健康診断の料金は、近隣の医療機関の情報を毎年確認されている医療機関は多いのですが、

  • 文書料
  • 病院や有床診療所の個室の料金

などが、何年も見直しをされていない方は多いのではないでしょうか。

また、集合部屋についても、患者目線で考えると、窓側を希望される方は多く、部屋の中央のベットを希望される方は少ないと思います。

それであれば、窓側は、1日当たり1,000円を別途徴収するなど、即座にご検討すべきです。

どんなサービスでも、付加価値があがれば、料金は必ず上乗せされるのが常です。

集合部屋なら一律○円

は、患者目線でサービスの提供ができていない現れです。勇気をもって、値上のご検討をお願いします。

従業員の医療費減免制度の活用

従業員が当院に通院された際には、窓口負担は免除されていますでしょうか。

  • 公平かつ妥当な治療費減免規定があり、
  • 全従業員を対象としており、
  • 高額でなければ、

福利厚生費として経費化でき、給与課税も不要です。

窓口負担部分を免除されたとしても、保険診療部分は入金されるので、

  • 福利厚生になり、
  • 従業員の(従業員の家族も含めて)愛社精神を養うこともでき、
  • 売上拡大にも繋がります。

総合病院でも活用されています。今すぐご検討ください。

従業員の採用を検討する

  • 歯科クリニックの場合は、歯科衛生士の追加採用を、
  • 整形外科クリニックの場合は、作業療法士等の追加採用を、
  • 整骨院の場合は、柔道整復師等の追加採用

を検討すべきです。

必要な人材を採用をすることで、目先の人件費は増加しますが、

増加する人件費以上の売上の増加を見込むことができるのであれば、

すぐにでも採用すべきです!!

逆に、動きの悪い従業員がいるのであれば、社労士さんには確認は必須ですが、自主的に辞めてもらうことも検討すべきです。

  • 従業員の和を乱す看護師や歯科衛生士
  • 検査をあまりしないにも関わらず、採用している検査技師

等がいれば、辞めてもらうか、追加の仕事依頼をすべきです。

検査の徹底

整形外科クリニックでは、例えば、

50歳以上の女性患者に対しては、骨密度検査を必ず勧めるクリニックもあります。

忙しいときに遠退きがちなのが検査です。

必要な検査が定期的に実施されているのか、改めてご確認ください。

医療機器の最低限の使用頻度を確認

医療機器は高額なものが多いです。

購入時には慎重になると思いますが、購入後には、あまり使っていないことはございませんか?

私が顧問を承る場合は、医療機器ごとに、数を書いてくださいとお伝えいたします。

例えば、⑨

のようにです。

医療機器によっても法定耐用年数(税務上の耐用年数)は異なりますが、6~8年のものが比較的多いです。

より保守的に考えて、私の場合は、6年を使うことが多いのですが、例えば、

1,200万円の医療機器を購入を検討しているとします。

その医療機器を使用すると、50点、つまり、500円収入が上がるとします。

つまり、

1,200万円÷6年=200万円

以上の収入を、毎年上げる必要があります。

(法人税の計算は、減価償却と収入との相殺により、無視しています。より保守的に考えるのであれば、この200万円÷0.7=2,857,142円でその後の計算を進めてください)

1人の患者に対して使用すると、5,000円収入が上がるので、年間

200万円÷500円=400人

以上の患者に対して使用しなければ、元を取れないとお考えください。

でも、年間で考えると、少しぼやけてしまうと思います。そのため、週に落とし込みます。

400人÷12ヶ月÷4週間=8.3人→9人

つまり、

1週間に9人以上に対して医療機器を使用しないと、元を取れないとお考えいただきたいので、その医療機器に、

と書き込みます。

そうすることで、その医療機器の使用に意識が向きます。

また、固定資産台帳を税理士よりエクセルで受け取り、その固定資産台帳に、この⑨を書き込んでいきます。

そして、医療機器の使用頻度を比べます。

そこまでできれば、売上は確実に上がります。

ただし、診療群分類包括評価(DPC)の場合は影響はありませんが、外来診療については使えます。

複数施設を経営している場合、相乗効果を意図的に発揮させているか

複数施設をお持ちの方は、施設ごとの損益の把握は必要ですが、相乗効果を意図的に発揮させておられますでしょうか?

  • 介護事業も経営されている方は、医療と介護の相乗効果があります。
  • 病院経営でクリニックも経営されている場合も、相乗効果があります。
  • また、健診センターをお持ちの方は、病院との相乗効果がございます。

といった、相乗効果を見込むことができる複数施設を経営されている方は、どのような方法で相乗効果を得ておられますでしょうか?

相乗効果は、意識的に発生させる必要があります。

例えば、

  • 健康診断を受診された場合で、生活習慣病に該当した場合は、外来受診を必ず促す。
  • 喫煙患者に対しては、禁煙外来を必ず促す。
  • アルコール依存症の方には、内科、心療内科、精神科の受診を必ず促す。
  • 健康増進センターと健診センターをお持ちの場合は、相互連携を取り、情報共有と、それぞれの利用者に対して必ず受診を促す。

など、

当面は様子見をして、また違和感などの症状があれば、受診してくださいという、【また何かあればおいで~】というスタンスから、

【この場合は、うちのこれを使って】という積極的なスタンスへの切り替えをご検討ください。

よくある例では、

  • 美容形成外科クリニックで、顔脱毛の希望者に対して、顔のみならず全身脱毛を勧める
  • 歯科クリニックで虫歯治療にこられた患者に対して、ホワイトニングを勧める

のも、積極的なスタンスの現れです。

医療費控除の理解と、患者への説明ができるようになること。

医療費控除の対象になる治療の場合は、患者負担が軽減されます。

その事を患者へ教えてあげることができれば、その治療を受けやすくなりますので、医療機関の売上拡大にも繋がります。

経営会議は毎月開催しているか

経営会議を毎月実施することは、非常に重要です。

会議をただダラダラと長くするのではなく、要点を端的にまとめて理解することが重要です。

会議は、

  • 各事業所単位で会議を実施する。
  • その事業所単位の会議をまとめた上で、役員会(理事会 以下、役員会で統一)へ報告し、役員会では、各事業所単位の報告を受けて、承認や意志決定を実施する。

各事業所単位と役員会を2つに分けて、現場の要望を、現場職員に取りまとめさせて、上へ報告させることに意義があります。

会議内容の一例です。

  • ヒヤリ・ハット事例の報告
  • 患者や利用者またはその家族からのクレーム報告
  • 事故報告
  • 人員の補充や、人事異動など、労務に関する報告
  • 設備の老朽化の修繕や、機械や車の購入などの設備投資に関する要望のヒアリング
  • 他の病院やクリニックなどとの連携についての報告
  • 各事業所単位の予実対比
  • 全体の予実対比
  • その他

その他

その他としては、

  • ホームページの見直し
  • 近隣の医療機関や介護事業所などとの連携が、どの程度図れているかの確認
  • Googleマップ上などの悪い評価に対して、怒りをぶぢけるのはぐっと抑えて、【真摯に受け止め、患者満足度向上に努めます。】などと、丁寧な返信をしているか。
  • 同業他社比較ができているか
  • キャッシュフロー分析を数年後までできているか
  • 従業員の満足度を高める施策を実行しているか

などについて、毎月の経営会議で税理士からの提案を受けて、検討する必要があります。

その他の項目につきましても、

実際のホームページを拝見した上で、他院との比較について、税理士目線での意見を申し上げることはできます。

また、その他の項目についても、実際の採用事例や、数字を用いてご説明も可能です。

 

今後は、医療機関であったとしても、売上拡大戦略は必須です。

顧問契約のご依頼、承っております。

 

では、本日はこれまで。ほんまおおきに

By.税理士サンタ🎅

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