税理士サンタ🎅です。
本日は、【夫婦間で、扶養控除の付け替えはできる?】
について、お話しいたします。
まずはじめに
No166で、【父から子へ、母の控除の付け替え】について、記載しました。
このケースでは、父も子も、年末調整や確定申告をまだ受けていない年度における話になります。
では、年末調整後や確定申告後に、扶養控除の付け替えはできるのでしょうか。
夫A、妻B、子C、子D4人家族のケースで検討したいと思います。
前提
夫A、妻Bの夫婦は、その子C、Dについて、
夫Aは確定申告により子Cを控除対象扶養親族として申告しました。
また、妻Bは確定申告を要しない給与所得者(年末調整だけで税金計算は完結していた)であり、子Dを控除対象扶養親族とする扶養控除等申告書を提出して年末調整を行いました。
その後、妻Bは、子Dを控除対象扶養親族から除外するための確定申告書を提出し、夫Aが子Dを控除対象扶養親族に含める更正の請求書を提出しました。
夫が確定申告書を提出した後のこのような控除対象扶養親族の差替えは、認められるのか??
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前提の整理
- 夫Aは確定申告で、子Cを扶養控除として適用
- 妻Bは年末調整で、子Dを扶養控除として適用
- 妻Bは、確定申告で子Dを扶養控除から外し、夫Aは更正の請求で、子Dを扶養控除に追加できるか??
答え
夫が確定申告書を提出した後においては、妻の控除対象扶養親族になっていた者について差替えすることはできません。
理由
控除対象扶養親族の差替えは、居住者が提出する申告書等に異なった記載をすることにより認められますが、
これは夫婦が同時に、それぞれが先に提出した申告書等に異なる記載をすることをいうと解されます。
また、ここでいう申告書等は所得税法施行令第218条第1項《二以上の居住者がある場合の同一生計配偶者の所属》に規定する申告書等に限られるため、
既に確定申告書を提出している夫は異なった記載のある申告書等を提出する機会を失っているものと考えられます。
2人以上の居住者の扶養親族に該当する者をいずれの居住者の扶養親族とするかは、これらの居住者が提出するその年分の
- 「予定納税額の減額承認申請書」
- 「確定申告書(期限後申告を含みます。)」
- 「給与所得者の扶養控除等申告書」
- 「従たる給与についての扶養控除等申告書」または「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」(以下「申告書等」といいます。)
に記載されたところによります。
また、いったんその申告書等により所属が定められた後でも、改めてその所属の異なる記載をした申告書等を提出することによりその所属をさらに変更することはできますが、
その場合には、扶養親族を増加させようとする者および減少させようとする者全員がその所属の異なる記載をした申告書等を提出しなければなりません。
なお、この場合の申告書等には、
は含まれませんので、いずれかの居住者がいったん確定申告書を提出している場合には、扶養親族の所属の変更はできません。
No.1181 納税者が2人以上いる場合の扶養控除の所属の変更|国税庁
つまり、
今回のケースでは、
- 父Aは確定申告をしていたが、
- 扶養の付け替えは、修正申告や更正の請求ではできないため、
- 扶養の付け替えができない。
ということになります。
結論
結論です。
- 父Aと母Bが年末調整のみで確定申告をしていない場合、父Aと母Bはそれぞれ確定申告をすることで、子Cと子Dの扶養の付け替えができます。なお、期限申告(R5年の確定申告の期限は、R6/3/15)であっても、期限後申告(申告期限より5年間)であっても可能です。
- 父Aと母Bのどちらかが確定申告をする場合で、【申告前】であれば、子Cと子Dの扶養の付け替えはできます。
- 父Aと母Bのどちらかが確定申告を既に行った場合、子Cと子Dの扶養の付け替えはできません。つまり、今年度であったとしても、申告済であれば、扶養の付け替えはできず、前年以前の申告済の確定申告についても、扶養の付け替えはできません。
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By.税理士サンタ🎅