税理士サンタの節税ブログ

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【65】従業員への商品、製品等の値引販売について

【節税税理士・公認会計士】です。

本日は、【従業員への商品、製品等の値引販売】について、お話しいたします。

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目次

【従業員への商品、製品等の値引販売】

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◆従業員へ、自社の商品や製品、サービスなどを値引販売する理由

従業員へ、自社の商品や製品、サービスなどを値引販売される会社も多いかと思いますが、

  • 従業員へ自社取り扱い商品や製品等を触れさせることで、愛社精神を養わせるため
  • 従業員に宣伝広告をさせるため
  • 従業員に直接体感させることで、営業マンにさせるため
  • 福利厚生にも繋がり、離職率を低減させることができるため

といった理由のためです。

 

◆すべての要件を満たすと給与課税は不要

使用者が役員又は使用人に対し自己の取り扱う商品、製品等(有価証券及び食事を除く。)の値引販売をすることにより供与する経済的利益で、

次の要件のいずれにも該当する値引販売により供与するものについては、給与課税しなくて差し支えない

(1)値引販売価額は、取得価額以上&一般販売価額の70%以上なら給与課税しなくても良い。

値引販売に係る価額が取得価額以上であり、

かつ

通常他に販売する価額に比し著しく低い価額(通常他に販売する価額のおおむね70%未満)でないこと。

→ユニクロの場合は社員割引率は30%オフなのは有名な話だと思いますが、

おそらく、通常の販売価額の70%以上で社員へ販売したとしても、社員に対して給与課税をしなくてもよいという、柳井 正さんの社員への思いやりだと思います。

 

(2)全従業員を平等に取り扱うこと

社員値引率が、役員若しくは使用人の全部につき一律に、

又はこれらの者の地位、勤続年数等に応じて全体として合理的なバランスが保たれる範囲内の格差を設けて定められていること。

社員割引は、福利厚生にも貢献するが、福利厚生の大前提には、すべての従業員へ平等な機会を与えることであるため、

  • 全従業員を平等に取り扱う
  • 若干の差は設けても良いが、その格差は限定的でなくてはならない。

 

(3)社員割引をする数量は、あくまで社会通念上、常識的な数量であり、一般の消費財であること。

値引販売をする商品等の数量は、一般の消費者が自己の家事のために通常消費すると認められる程度のものであることが必要です。

社員割引率が低くても多額に認めると、通常の販売価額との差額は多額になり、加えて、横流しにも繋がり兼ねないため、あくまで、自己消費程度の常識的な数量に限定する必要があります。

 

◆では、土地、建物等の不動産の値引販売による経済的利益は、給与課税されるのか?

上記のすべての要件を満たすと、社員割引をしたとしても、給与課税をしなくても良いことが分かりましたが、では、

自社で販売している建売住宅を社員が住宅用として購入する場合に、通常の販売価額の70%相当額で販売した場合、

このような土地、建物等の不動産を値引販売したことによる経済的利益についても所得税基本通達36-23《課税しない経済的利益...商品、製品等の値引販売》を適用することができ、

給与課税を免れるのでしょうか。

◆結論、給与課税されます。

土地、建物等の不動産の値引販売による経済的利益については、

所得税基本通達36-23の取扱いを適用することはできず、給与課税となります。

 

一般的に行われている値引販売については、

  • 利益の額が少額であること
  • 値引販売は一般の顧客に対しても行われる場合があること

等を考慮して設けられています。

しかし、不動産の値引販売による経済的利益については、

  • 経済的利益の額が極めて多額で、少額不追及の趣旨に沿わないこと。
  • 不動産は一般の消費者が自己の生活において通常消費するようなものでないこと。

この2つの理由より、所得税基本通達36-23を適用することはできず、給与課税となります。

 

では、本日はこれまで。ほんまおおきに。

 

By.【節税税理士・公認会計士】

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