税理士サンタ🎅です。
【保険金の取り扱い】について、お話しいたします。
がん保険の健康回復給付金
A社の販売する女性専用特定がん保険は、子宮がん等の女性特有のがん(以下「特定がん」といいます。)により入院し又は手術を受けた場合に、
入院給付金、手術給付金のほか、次の「健康回復給付金」が支給されます。
《健康回復給付金の概要》
被保険者が特定がんにより入院した後、療養するために退院したとき及び退院日から2年間退院日の3か月毎の応当日に生存しているときに15万円を支給する(2年間合計120万円)。
この健康回復給付金は、次の理由から非課税所得です。
- この給付金は、被保険者が特定がんと診断されている場合に限って支払われるものであること。
- この給付金は、退院後のリハビリ費用、検診費用、家事代行費用等の補填を行うものとすれば、退院時に一時金として支給する在宅療養給付金を3か月毎に分割して支払うものと変わりがないこと。
疾病により重度障害となった者以外の親族が、保険金の支払を受けた場合
甲の父親は、父親を契約者(保険料負担者)及び被保険者とし、
甲を保険金受取人とする生命保険契約を締結していましたが、
父親が疾病により重度障害の状態になったことから、甲は保険会社から高度障害保険金を受け取りました。
この場合、甲が受け取った高度障害保険金は、非課税所得となります。
所得税法施行令第30条第1号《非課税とされる保険金、損害賠償金等》の規定により非課税とされる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」は、
自己の身体の傷害に基因して支払を受けるものをいいますが、
その支払を受ける者と身体に傷害を受けた者とが異なる場合であっても、
その支払を受ける者がその身体に傷害を受けた者の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、
その保険金又は給付金についても同号の規定の適用があるものとして取り扱っています(所得税基本通達9-20)。
なお、いわゆる死亡保険金は、「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」には該当しません。
また、疾病により重度障害の状態になったことなどにより、生命保険契約又は損害保険契約に基づき支払を受けるいわゆる高度障害保険金、高度障害給付金、入院費給付金等は、
所得税法施行令第30条第1号に規定する「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当するものとして取り扱っています(所得税基本通達9-21)。
したがって、父親が疾病により重度障害の状態となったことに基因して甲が支払を受ける高度障害保険金は
「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当し、甲と父親は直系血族の関係にあるため、
この高度障害保険金についても所得税法施行令第30条第1号の規定の適用があり、非課税所得として取り扱われます。
リビング・ニーズ特約に基づく生前給付金
ビング・ニーズ特約に基づく保険金(生前給付金)は、非課税所得です。
《リビング・ニーズ特約の概要》
- 被保険者の余命が6か月以内と診断された場合に、主契約の死亡保険金の一部又は全部(上限3,000万円)を生前給付金として支払う。
- 生前給付金を支払ったときは、これと同額の死亡保険金が減額されたものとされる(死亡保険金の全部を生前給付金として支払った場合には、主契約は消滅する。)。
- 生前給付金の受取人は被保険者とし、配偶者等について指定代理請求を認める。
- 特約の保険料は不要である(主契約の保険料に吸収されている。)。
リビング・ニーズ特約による生前給付金は、死亡保険金の前払的な性格を有していますが、
被保険者の余命が6か月以内と判断されたことを支払事由としており、
死亡を支払事由とするものではないことからすれば、重度の疾病に基因して支払われる保険金に該当するものと認められます。
疾病により重度障害の状態になったことなどに基因して支払われる保険金は、
所得税法施行令第30条第1号《非課税とされる保険金、損害賠償金等》に掲げる「身体の傷害に基因して支払われる」保険金に該当するものと取り扱っており(所得税基本通達9-21)、
その保険金は非課税所得となります。
(注) 生前給付金の受取人がその支払を受けた後(指定代理請求人が指定代理請求により支払を受けた場合を含みます。)にその受取人である被保険者が死亡した場合で、
その受けた給付金のうち被保険者に係る入院費用等の支払に充てられた後の相続開始時点における残額は、
死亡した被保険者に係る本来の相続財産として相続税の課税対象となります(この場合、相続税法第12条第1項第5号《相続税の非課税財産》の規定の適用はないことに注意してください。)。
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By.税理士サンタ🎅